巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
まるで逃さないとでも言うようなエルの行動に、私の胸が嬉しさでドキッと跳ねる。
(そんな事されちゃ誤解しちゃうじゃん……ホント、エルは罪作りだなぁ……)
エルはただスキンシップが過剰なだけなのだと自分に言い聞かせながら、エルが話してくれるのをじっと待っていると、エルがあの時起こった事を教えてくれた。
「あの時──貴女からハンカチを受け取った瞬間、強い光が出たかと思ったら僕の魔法が無効化されてしまって」
「は?」
「貴女に会う時は髪の色を変える魔法やもしもの時のために防御魔法を掛けていたのですが、ハンカチに触れた途端僕に掛かっていた魔法が全て無効化されたのですよ」
「ええーーー!?」
驚いた私は思わずエルから離れて彼の顔を見る。以外にも真剣なエルの表情に、その話が冗談などでは無いのだと理解した。
あの日の私は光を見た後、気を失ってしまったから知らなかったけれど、あの後エルの髪の色は金髪に戻ってしまったのだそうだ。
私が気を失わなければ、もしかするとその時エルの正体に気付いたかもしれないのに……惜しい事をした。