巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。

04 夢


 入口の方は結構朽ちていたけれど、祭壇がある祈りの間らしい部屋はあまり傷んでいなかった。

 でも見たところここはアルムストレイム教の神殿ではなく、違う神を祀っている神殿に見える。


「何の神様を祀っていたんだろう……」


 今でこそ、アルムストレイム教が世界中で信仰されているけれど、昔はもっと多種多様な神様がいたと聞いた事がある。だからここもそんな神様の一柱を祀っていたのかもしれない。


 この祈りの間は広くて野営にちょうど良かったけれど、流石に祭壇のある場所で泊まるわけには行かず、入口近くで設営をする事になった。

 外で設営するよりかなり楽に設営することが出来たからか、皆んな体力が余っていたようで、ご飯を食べた後もずっと騒いでいる。

 私は孤児院での生活が身に染みているので、食事の片付けをした後は早々に休ませて貰うことにした。

 
 皆んなが火を囲んでいるところから少し離れた場所に寝床を確保する。それでも皆んなの会話はよく聞こえ、今は国の情勢について語り合っているようだった。


「そういや今日、王太子殿下が神殿に行ったんだって?」
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