巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
「そうそう、テオの奴なんかやらかして国境付近の一般兵として連れて行かれたってよ!」
「連れてったのが衛兵じゃなくて騎士団っていうのも凄いよな!」
私はおじさん達の会話を聞いて絶句する。こんなに噂が広まっているとは……商人ネットワーク恐ろしい。
(それって……やっぱり私との一件が原因だよね……)
テオが更迭された話はすでに街中の人間の知るところとなり、父親である領主も責任を取らされる事になったのだそうだ。
「近々新しい領主様がお越しになられるそうよ」
「今度の領主様は人格者らしいわ。これでサラちゃんの孤児院も大丈夫ね」
「そうそう、前の領主がわざと補助金を渡さなかったんだってなぁ。酷い奴だよなぁ」
まさかこのタイミングで環境に変化があるとは思わなかった。でも以前よりぐっと快適に住める街になるのなら、こんな嬉しいことはない。
「その事なんだけど……」
喜んでいる皆んなの前で王都行きを報告するのは水を差すようですごく心苦しいけれど、ちゃんと伝えなきゃお世話になった人達に不誠実だと思い直す。