巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。

(前回来た時は心に余裕がなかったし、神殿本部しか行かなかったからなぁ……)


 立派で頑丈そうな城門の前で馬車の中から王宮を見上げる。青い空を背景に聳え立つ白亜の王宮はとても美しく、華麗な歴史の面影を残すその姿に思わず見惚れてしまう。


「うわぁ~~……本物のお城だぁ」


「絵本のお城にそっくりだねぇ」


「お姫様に会えるかなぁ」


 小さい子供達が王宮を見て夢見心地で感動しているのとは対象的に、年長組の子供達は現在の状況に恐れ慄いている。


「サ、サラねーちゃん! 俺たち本当にこんなところに住むのかよ……!?」


「きっと中は高そうな物でいっぱいだよね……壊したらどうしよう……」


 不安がる子供達を安心させようと、私はにっこり笑顔で言った。


「大丈夫大丈夫。私達が暮らす場所は王宮じゃなくて隣りにある離宮だから」


 流石に王宮ほど豪華な作りじゃないだろうし、使っていない離宮だって言っていたからすごくボロボロかもしれないし。


 離宮と聞いて少し安心したのか、子供達の不安が少し和らいだ。そこへ私達の入城手続きを終えたクレマンさんが駆け寄ってきた。
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