巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。

29 変化


 離宮で暮らすようになってから一週間が過ぎた。離宮での生活はとても快適で、孤児だからと冷遇されたらどうしようなんて考えた自分が恥ずかしいぐらいだった。


 子供達は二人で一部屋使用でき、ベッドも二段ベッドだけれど一人ひとりにベッドを与えて貰った。

 食事の方もとても美味しく栄養バランスが採れたメニューが中心で、育ち盛りの子供達に配慮してくれているのが良くわかる。


 ただ、今まで全員で身体を寄せ合って眠っていたからか、一人で寝るのが怖い子が何人かいて、そういう子は私の部屋で慣れるまで一緒に眠ってあげている。


 ちなみにエル──エデルトルート殿下は私達が到着した次の日に来てくれた。


「こんにちは。遠い所からお越し下さり有難うございます。長旅でお疲れではないですか?」


「あっ! エル……エデルトルート殿下、この度はこのような素敵な場所に滞在させていただき有難うございます。おかげさまでゆっくり休むことが出来ました」


 もう孤児院じゃないし、人の目もあるので今まで通り気軽に接する訳にはいかないと思い、失礼な言葉遣いにならないように精一杯頑張ってみた。
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