巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。

 エルに対して「血も涙もない残虐非道な王太子」という悪い噂を吹聴されたせいで、今では王宮中の人がその噂を信じているらしい。


「今まで殿下はその噂のせいでずっと恐れられていたの。私や殿下の側近達がいくら否定しても信じて貰えなくて……」


 だけど子供達に微笑むエルの姿は、使用人達の誤解を解くには十分な効果があったそうだ。


「子供達と一緒にいる姿を見て貰えたら、殿下への誤解が解けて噂も無くなるかもしれないわ!」


 エリアナさんは王妃様の侍女をしていた時期があったらしく、エルの事を生まれた時からずっと見守っていたらしい。

 だからエルが噂のせいで恐れられているのが我慢できず、名誉挽回の機会をずっと伺っていたのだそうだ。


 私はエルが以前話してくれた時の事を思い出す。闇属性持ちだからと偏見の目で見られ、恐れられていると言っていたエルはすごく寂しそうだった。


「そういう事なら私もお手伝いします! 実際、子供達はエル……エデルトルート殿下が大好きですから!」


「まあ! なんて頼もしいのかしら! 可愛い味方ができて嬉しいわ!」
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