巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
「こんにちは! そうなの! 今日は物語の続きを読むの!」
「僕は虫の本を読む!」
「お花の絵がいっぱいのっている本があるのよ」
一度慣れてしまえばとても人懐っこくてすこぶる愛らしい子供達は、今や王宮で働く人間の癒しになっているとエリアナさんが教えてくれた。
この衛兵さんも癒やされている一人なのだろう、いつもはキリッとしている顔がデレデレになっている。
デレデレな衛兵さんに別れを告げ、同じように何人かの人と挨拶を交わした時、私は遠くの方でエルと部下さん達が歩いているのに気が付いた。
キラキラと光る髪色はとても目立っていて、エルに気付いた子供達が大喜びで彼に向かって掛け出してしまう。
「あっ! 王子様だー!」
「ホントだ! 王子様ー!!」
「あ! こらっ!」
駆け寄ってくる子供達に気付いたエルは、真面目な顔から一転、にっこりと笑顔になると、人差し指を口に当て、静かにするようにとジェスチャーした。
「王宮の中では走ったり大声を出してはいけませんよ。皆さん仕事をしているので静かにして下さいね」