巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
現国王も光属性の持ち主だったので、僕も光属性だろうと期待がかかっていたのかもしれない。僕が闇属性と判明した後の王宮はそれはもう灯火が無くなったかのように暗かったという。
属性が判明してからというもの、王宮内では王位継承についての議論が絶え間なく続けられるようになる。
いくら魔力が多くても闇属性の王子は国王に相応しくない、という意見と古の慣習に従い魔力量で国王を選ぶべきだ、という意見で王宮が真っ二つに割れてしまったのだ。
そんな王宮の現状を一番悲しんだのは僕ではなく、生みの親である母──王妃だった。
高位貴族の令嬢だった母は穏やかな性格で、争いごとを好まない大人しい人だった。正直王妃としての器はなかったけれど、国王である父に見初められて王妃に迎え入れられたのだ。
だからそんな大人しく繊細な母が、王宮の状況に胸を痛めていたのは当然のことで。
それでも母は僕を宮中の悪意から守ってくれた。闇属性でも関係ないと、「エデルトルートが生まれて来てくれて嬉しいわ」と言って抱きしめてくれたのだ。