巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。

 徐々に回復を見せる母に喜ぶ者もいたけれど、中には興味本位に僕が精神操作を行い母を操っていると噂する者もいた。そんな噂がいつしか悪意を持って宮中を駆け巡るようになり、気が付けば僕は闇魔法で人々を思い通りに操る王子──『紅眼の悪魔』として恐れられるようになる。


 ──今から考えれば、そんな噂を流したのは神殿関係者だったのだと思う。


 アルムストレイム教の総本山である法国はこの国、サロライネン王国の弱体化を狙っていたのだ──神殿関係者の影響力を高めるために。

 だから王宮の中で意見が対立するように仕向け、王族の地位低下を目論んだのだろう。


 だけどこの国はまだマシな方だ。アルムストレイム教を国教としている国々はその殆どが法国の支配下にあると言っても過言ではない。

 過去にはアルムストレイム教の国教指定を取り消そうとした国もあったが、尽く失敗している。それほどまでにアルムストレイム教の権力が絶大なのだ。


 世界中で神の名のもとに威光を振りまく法国だけど、中にはその威光が届かない国がまだ幾つか残っている。その国とは帝国、魔導国、獣王国だ。
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