巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
陸路だと片道三日ほどの距離だけど、飛竜に乗ればその距離もたった一時間と少しで到着するからとても助かる。
この飛竜はレオンハルトから譲って貰った希少な飛竜だ。鱗の色が黒なので夜に飛行してもほとんど目立たない。ついでに僕の髪の色も魔法で黒に変化させている。レオンハルトが普段変装用に使っている魔法を僕用にアレンジしたのだ。
僕の髪の色は無駄にキラキラしているから、夜でも結構目立ってしまう。でもこの魔法のおかげで暗闇でも目立たず活動できるのでとても重宝している。
孤児院に到着し、子供達に絵本を配り終えた僕は一旦外に出てからサラという少女の部屋と思われる窓をノックする。そうして窓が開かれて少女が顔を出したけれど、よく考えたらとても不用心だな、と自分のせいでもあるのに心配してしまう。
「こんばんは」
「ひ、ひえっ!?」
なるべく驚かさないように配慮したつもりが結局驚かせてしまった。
それから初めて正面からまともに見た彼女の姿に一瞬息を飲む。
──たった一人で子供達の面倒を見ているなんて……。なんて不憫なのだろうと、ヴィクトルから話を聞いた時はただの同情でしかなかった。