巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
言葉遣いこそ庶民の娘と変わらないけれど、それは黙っていれば貴族令嬢と言われても納得してしまいそうな程で。
そんなサラの出自を知るのは、彼女を育てた司祭ただ一人なのだ。だから僕はどうしても司祭と会って、サラの事を教えて貰いたかった。──たとえそれが、僕の我儘だと分かっていても。
司祭の行方を追うのと同時に、サラの動向も見守る日々の中、サラの身辺を警護させている部下から報告が届いた。
その内容はソリヤの街の市場でサラがテオに誘われ、強引に連れて行かれそうになったというものだった。
どうして彼女が一人で街へと思ったけれど、内職の品を商会に届けるためと聞いて驚いた。子供達の面倒を見るだけでも大変なのに、経営資金を稼ぐために刺繍の内職までしていたなんて知らなかったのだ。しかも驚いたことに、取引先がかの有名なランベルト商会だと言うではないか。
ランベルト商会は流行の発信地と言われる帝国に本店がある大店で、ランベルト商会と取引したいと望む人間は後をたたないという。