巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。

 僕はサラに領主の情報収集を断った後、領主の館に秘密裏に部下を潜り込ませていた。そして孤児院の資金の行方について調べていると、領主の側近が不埒な輩に接触したらしいという情報を手に入れたのだ。

 その情報に嫌な予感がした僕は、サラに身辺を注意して貰うべく孤児院へと向かう。


「またテオとひと悶着あったそうですね」


 そうしてサラの部屋に着いてすぐ、僕は彼女に問いかける。

 僕の言葉に彼女が酷く驚いているのは、僕がどうやって情報を手に入れているのか不思議だからだろう。


「まあ、そんな事もあったけど市場の人達が助けてくれたから大丈夫だったよ」


「貴女は以前僕が言った言葉を覚えていますか? もっと男に対して警戒して下さいとお願いしましたよね?」


「……え、でも誘いには乗らなかったし……大丈夫だったし……」


 強引に連れて行かれかけたというのに、未だに危機感がないサラの言葉に歯痒く思う。そんな僕の顔を見て居た堪れなくなったのか、彼女の反論する声が段々と小さくなっていく。


「貴女が無事だったのは結果論に過ぎません。テオに会った瞬間逃げるぐらい警戒して下さらないと」
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