巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
「え……! そこまで警戒しないといけないの?」
「当たり前です。彼には重々注意して下さい。それとしばらくは街に行かないで下さいね。必要なものはこちらで揃えますから、遠慮なく言って下さい」
流石に無理を言っている自覚があったので、サラから反発があるだろうと覚悟していた。
なのに、彼女は幾つかの質問をした後、僕の要望をあっさりと飲んでくれたのだ。
「分かったよ。エルの言う通りにする」
一週間もの間、孤児院から出るなという僕の無茶振りに、サラは理由を追求してこなかった。彼女に理由を説明することも出来ず、不便を強いる僕を追求する権利が彼女にはあるというのに──。
「──貴女は、僕の事を悪魔だと思っているのですよね? なのに何故そんなにあっさりと信用するのですか?」
てっきり僕のことを王太子だと思い出してくれたと思っていたけれど、彼女と会話を交わす内に、未だに彼女が僕を悪魔だと勘違いしているのだと気が付いた。
巫女見習いとは言え、聖職者である彼女が悪魔を信用するなんてありえない筈なのに……。