巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。

「それは辺境の司祭風情が貴賓室滞在許可を得ているという事か? トルスティ大司教様の庇護まで与えられて?」


「うーむ……。一体その司祭は何者なのか……。いや、そもそも司祭なのか?」


 神殿本部の貴賓室は本国から来た高位聖職者──大司教や枢機卿が滞在するための部屋で、司教ですら滞在を許されていない。

 そんな部屋に一年間も滞在する人物について、その正体を知っている者はトルスティ大司教だけだろう。


「ううむ。ならば巫女見習いという娘はどうなのだ? いっその事巫女の位階を与えては?」


 巫女見習いは正式な聖職者として認められていないので、神殿の保護対象から外れるため神殿からの恩恵が受けられない。と同時に、神殿からの下命に対し従う義務もない。


 今回の一連の出来事は、重要人物であるソリヤ神殿にいたという娘──サラが巫女見習いだったため起こったのだ。

 もしサラを巫女として認めていれば、聖職者として神殿に従う義務があるとして、思惑通り利用できた筈であった。


「しかし、巫女として迎えると言っても本人が召集に応じなければどうしようもないぞ」


「かの娘は王太子の手の者に守られておるしな」
< 244 / 503 >

この作品をシェア

pagetop