巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
神殿本部の貴賓室はアルムストレイム聖王国の人間でもごく一部の者しか利用できない。
その貴賓室は晩餐会が開けそうなほど広く、高い天井から吊り降ろされたシャンデリアは職人がこだわりのカットを施した水晶がふんだんに使われていて、その水晶がもたらす光の屈折はダイヤモンドのように輝いている。
室内は最高級のシルクタペストリーやテキスタイルが施され、歴史的な調度品がインテリアとして飾られている。
壁には高名な芸術家達による貴重なアート作品が飾られていて、まるで美術館にいるような錯覚を覚える。
部屋の奥にあるアルコーブには深紅を基調としたベッド置かれており、金と銀を使った豪華な装飾の錦織が飾られている。
そんな豪華絢爛な貴賓室に、二人の人物がいた。
一人は純白の布に金糸で複雑な紋様が刺繍された法衣を着た、見るからに上位の聖職者だと分かる人物──トルスティ大司教だ。
トルスティ大司教はアルコーブに置かれたベッドに寝っ転がっているもうひとりの人物に声を掛けた。
「シュルヴェステル様、いい加減良い返事をお聞かせ下さい。いつまで辺境の地で過ごすおつもりですか」