巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
トルスティ大司教からシュルヴェステルと呼ばれた人物は、うっとおしそうに顔を顰めると吐き捨てるように言った。
「お前もしつこいな。俺はソリヤの街に帰るっつってんだろうが。お前らの方こそいい加減俺をここから出せよ」
「それは出来ませんと何度も申し上げているでしょう。例の件は本国ではまだ捜査対象なのですよ。教理聖省や教会聖省の長に見付かればどうなるか……。もしシュルヴェステル様がお戻り下されば、例の件は私が上手く処理致しますから」
「俺は何も疚しい事はしていない。だから誰が来ようとも俺の意思は変わらない。たとえそれが聖下であってもだ」
「……っ!」
シュルヴェステルの意志の強さに、トルスティ大司教は息を呑んだ。そしてこれ以上の説得は無駄だと理解する。
しかし説得でなくとも人を動かす方法はいくらでもあるのだ。
「……そうですか。どうしても首を縦に振って頂けないのであれば仕方ありません。ならば協力者をお呼びするしかありませんね」
「何……? 協力者だと?」
トルスティ大司教の言葉に、不穏な空気を感じ取ったシュルヴェステルが飛び起きた。