巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
(エルから貴賓室に滞在していると教えて貰って元気なんだと安心していたら、今度は法国送りって……!)
──破天荒な人だと思っていたけれど、流石に意味がわからない。
(でも、法国に連れて行かれちゃったらもう二度と会えないかもしれない……。なら、ここはバザロフ司教の提案を飲むしか……!)
一年間も音信不通だった理由も知りたいし、聞きたい事は沢山あるけれど、一番はお爺ちゃんの無事な姿を一目みたい。
「どうします? 今を逃すともう司祭との再会は叶わないと思いますよ」
バザロフ司教のダメ押しに、私は唇をぐっと噛みしめる。
「……行きます」
望みの返答だったのだろう、絞り出すような声だったけれど、正確に意味を拾い上げたバザロフ司教が満面の笑みを浮かべる。
「それは良かった。では、時間もありませんのでこちらへどうぞ。馬車を用意していますから」
バザロフ司教に促され、連れて行かれそうになるところを既のところで止める。
「ちょ、ちょっと待って下さい! せめて子供達やエリアナさんに一言言ってから……」