巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。

05 贈り物


 雨宿りした神殿跡から出発し、もう一泊山の中で野宿してからソリヤの街に着いた。


「サラちゃん、どうも有難うね。お料理とっても美味しかったわ」


「こちらこそ、同行させていただき有難うございました! とても助かりました」


 同行させて貰った商隊の人たちとはここでお別れだ。エリーさんにはとても良くして貰ったから、お別れするのがすごく寂しい。


「またソリヤの街に立ち寄ったら、サラちゃんのいる孤児院を訪ねてみるわね」


「本当ですか!? 嬉しいです! いつでも遊びに来てくださいね。子供達もお客さんが好きなので喜びます!」


 エリーさんと再会を約束して商隊の人たちへ挨拶を終わらせると、私は急いで孤児院へ戻った。

 孤児院を出た時は小さなカバン一つだけだったけれど、今はエリーさんのご厚意で子供達のお土産にとお菓子を頂いている。子供達はきっと……いや、絶対大喜びだろう。

 エリーさんが孤児院に来てくれたら、精一杯のおもてなしをさせていただこう。
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