巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。

36 再会


 神殿本部に連れて来られた私が集まっていた司教達から魔力属性を〈鑑定〉されている時、トルスティ大司教が小神殿に入って来た。


「トルスティ大司教様、叙階前にこの娘の属性を<鑑定>したのですが属性が視えなかったのです。私だけでなくここにいる者全員で確認したのですが、誰にも属性はわかりませんでした」


「ほう……それは珍しい」


 司教達から報告を聞いたトルスティ大司教が私をじっと視る。

 今日私は一体何回<鑑定>されたんだろう……。

 鑑定の儀でもこんなに見られる事は無いだろう。流石にそろそろ不快になってきた。


「……なるほど。これはわからないでしょうね。彼女の属性は『光』ですが、本当に微かなので気付かなかったのでしょう」


「おお……! 流石大司教様!」


 大司教の鑑定結果に司教達が感嘆のため息をつく。


(属性が『光』……! 私は光属性なんだ……!)


 初めて知った自分の属性に驚いたけれど、微かな属性ってどういう意味だろう。そんな言葉初めて聞いたよ……。


「光属性ではありますが、魔法の適性はありませんね。とりあえず叙階は行えるでしょうが」
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