巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。

 今日まで習慣で巫女服を着ていたけれど、もうこんなものは脱ぎ捨てて、明日からはエリアナさん達と同じ使用人のお仕着せを着る事にしよう!


「なんと無礼な娘だ……!」


「小娘が生意気な事を!」


「誰に向かってそのような口を叩くか!」


「大司教様に失礼だろう! 早く謝罪しろ!」


 司教達が口々に非難してくるけれど、発言を撤回するつもりも謝るつもりもない。


 こうなってしまえばお爺ちゃんにはもう会えないだろうけど、ここで私が折れて言いなりになる方がお爺ちゃんは怒ると思う。


「そういう訳ですので、私はこれにて失礼します」


 とりあえず一言、司教達に挨拶をした私は扉に向かって歩き出す。


「……待ちなさい」


 背後から掛けられた声にちらりと目を向けると、笑いをこらえていたらしいトルスティ大司教が、たまらずといった感じで笑い出した。


「ははは! これはこれは……! 流石彼の方が育てただけあって肝が据わっていますね!」


 嫌味を言われて笑い出したトルスティ大司教に、司教達がポカーンとする。さっきまで私に文句を言っていた司教達も戸惑っているようだ。
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