巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
「先程は大変失礼致しました。貴女を蔑ろにするような意図はありませんでしたが、誤解させてしまい申し訳ありません」
トルスティ大司教はそう言うと、私に向かって頭を下げて謝罪した。
「へっ!?」
「大司教様!?」
「な、なんと!?」
意外なトルスティ大司教の行動に、司教達が驚愕の表情を浮かべている。心なしか顔色も悪い気がするのは……きっと気のせいじゃないのだろう。
この国でトップに立つ聖職者である大司教が、一般人と同等の、しかも孤児である巫女見習いに対して謝罪するなど前代未聞なのだと思う。
「え……っ、いや、その……っ! もう気にしていませんから! だから大司教様もどうかお気になさらず!」
私は慌てて大司教の謝罪を受け入れた。
もうこれ以上問題が起きる前に、ここはさっさと退散してしまうに限る。
「では! 今度こそ失礼します!」
私はシュタッと手を上げて挨拶をし、一目散に逃げようとしたけれど、大司教はどうしても私を帰したくないらしく、再び声を掛けてきた。
「まあ、待ちなさい。私は貴女がとても気に入りました」
「……へ?」