巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
その方法としてヴィクトルが考えたのは、要人を貴賓室から連れ出し、一旦用意した場所に隠れて貰う事だった。
それから要人が逃げたと司教達に告げれば、彼らは神殿本部の人員を総動員して要人を探すだろう。
そうなれば警備の隙を突いてサラを助け出した後、隠れている要人も保護出来るかもしれない。
時間が無い中で思い付いた作戦なので、上手く行くかは未知数ではあるものの、今はこの案に賭けるしか無い、とヴィクトルは覚悟を決める。
(司教達はサラを正式な巫女にするために、小神殿で叙階を行うだろう。……となれば大司教や司教達は小神殿に集まる筈。その隙に貴賓室へ行けば──)
神殿本部の貴賓室は法国の要人を迎え入れるため、堅牢な構造となっている。いくつもの術式で守られているので、たとえ神殿本部が破壊されたとしても、貴賓室だけは無傷で存在しているだろう。
そんな貴賓室に出入りするためには、大司教と要人の世話をする使用人が持つ『鍵』が必要になる。
以前から王太子に貴賓室の要人と接触するように命令されていたヴィクトルは、同じように神殿に潜入している仲間達と連携を取り、手回ししていたのだ。