巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
(──殿下の言う通り準備していて良かった。よし、『鍵』を取りに行くか!)
おそらく貴賓室の要人を餌に、サラをここまで連れて来たのだろうが、司教達が要人とサラをすぐに会わせるはずが無いと踏んだヴィクトルは急いで準備する。
内心、連れられて来たサラの処遇が気になるが、流石に命の心配はないだろうと思考を切り替える。
そして配膳係に変装したヴィクトルは、お茶や軽食をワゴンに乗せ、貴賓室へ向かったのだった。
貴賓室があるエリアには侵入者防止のための結界が張られており、『鍵』を持たない人間が入ろうとすると、魔法で弾かれる仕組みになっている。
仲間から『鍵』を入手したヴィクトルは、難なく結界を踏み越え貴賓室の扉の前に到着すると、扉をノックし「お茶をお持ちしました」と告げて中に入った。
「動くな」
──しかし、貴賓室に入った途端、何者かに背後を取られてしまう。
「なっ!?」
簡単に背後を取られたヴィクトルは驚愕する。
一瞬たりとも油断せず神経を尖らせ入室したはずだった──それなのに、この人物は難なくヴィクトルを拘束したのだ。