巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
「ではシス殿、もう礼を執らなくても結構ですよ。そして発言を許します。これからも私に遠慮せず、気軽に話しかけて下さい」
エルから立ち上がる許可を貰ったお爺ちゃんだけれど、何故か礼を執ったまま立ち上がろうとしない。
「私には身に余る光栄ではありますが、是非とも王太子殿下にお礼をお伝えしたく、発言させていただきます」
「聞きましょう」
「発言の許可をいただき有難うございます。今回の件は自分が至らないばかりに、サラや孤児院の子供達に大変辛い思いをさせてしまいました。しかも援助を止められ、冬も越せない状況だった孤児院を殿下が救って下さったとお聞きしました」
お爺ちゃんの言葉に、エルはじっと耳を傾けている。
「もし大切な子供達に万が一の事が起こっていたのなら、私は後悔と自責の念で命を断っていた事でしょう」
「……っ!?」
私はお爺ちゃんの言葉に息をのむ。
トルスティ大司教もその言葉の意味を理解したのか、真っ青な顔をしている。
何故なら、聖職者が犯してはいけない禁忌事項の一つが自殺だからだ。