巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
顔色を失いつつも大人しくなったトルスティ大司教を一瞥したエルが、腰に下げていた剣を引き抜き、平らな面を上にしてお爺ちゃんの肩に乗せた。
「そなたの忠誠を受け取ろう。これからは我が忠臣となり一生涯尽くして貰うぞ」
「御心のままに」
いつも敬語のエルが王太子モードの口調になっている。それだけこの誓いは重みがあるのだろう。
いきなりの展開に頭がついていけないけれど、誓いを経たエルとお爺ちゃんが正式に主従の関係になったのだけはわかった。
「では、僕は外で待っていますから、最後の挨拶を終わらせて来て下さい」
「有難うございます」
お爺ちゃんに気を遣ったのだろう、剣を収めたエルが小神殿から出ていった。
そうして、一通りの通過儀礼を終わらせたお爺ちゃんは、屈めていた身体を起こして立ち上がると、腰を抜かしたままのトルスティ大司教の方へ向かった。
「教皇以外の人間に忠誠を誓った俺は、アルムストレイム教から破門されるんだよな? いくらお前が手を尽くしたところで、俺は法国の地に足を踏み入れることは二度と出来ない」
「あ……貴方は……そこまでして……!」