巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
「どうした? 腹減ったのか?」
離宮にある私達に与えられた部屋で、刺繍していた手を止めてぼーっとしていると、子供達をお昼寝させて戻って来たお爺ちゃんが声をかけて来た。どうやら私の声が漏れていたらしい。
「違うよ! ちょっと考え事してただけだよ! すぐに食べ物に結びつけるのはやめてよね!」
私はお爺ちゃんに文句を言いながら、こういう何気ないやり取りが本当はとても幸せな事だったのだと、この一年で凄く痛感した。
きっと子供達の存在とお爺ちゃんとの思い出のおかげで、辛い時間も耐えられたのだと思う。
「ふーん? ……まあ、何かあればすぐに言えよ」
「うん」
お爺ちゃんは私に深く聞くような事はせず、向かいのソファーに座る。
「あ、お茶淹れるから、ちょっと待っててね」
「おう、頼む」
私はお爺ちゃんと入れ替わりでソファーから立ち上がり、お茶の準備をする。
この部屋には生活するための設備が整っているからとても助かっている。
お茶も孤児院で飲んでいた王室御用達の物を、私が気に入っていると聞いたエルが用意してくれているのだ。
私は淹れたお茶をお爺ちゃんの前に置く。