巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
お爺ちゃんの知り合いが幸せだったことに安堵しつつ、よく考えたらその駆け落ちした二人は稀有な例ではないだろうかと思う。
贅沢に慣れていた人間が質素な生活に嫌気がさして、元の生活に戻ろうとするのはよくある事で。
それが普通の貴族ではなく王族の、しかも王太子のエルが質素な生活に耐えられるだろうか……?
私がアレコレ考えていると、お爺ちゃんが呆れたように言った。
「お前は考えすぎなんだよ。好きなら好きでいいじゃねぇか。例え当たって砕けたとしても、それはお前にとって良い経験になる。その経験は決して無駄にはならないから安心しろ」
「そんな安心嫌なんだけど」
お爺ちゃんが励ましてくれるけれど、何となく恥ずかしかった私は思わず憎まれ口を叩いてしまう。
「うるせぇ。お前は俺の自慢なんだ。お前が振られるなんてこたぁねぇから、もっと自信を持て」
だけどお爺ちゃんは、そんな生意気な私を気にすること無く励まし続けてくれる。
「もし万が一にも振られたら、その時は俺も一緒に泣いてやるよ」
「……何それ。お爺ちゃんが泣くところなんて想像も出来ないや。でもすっごく見てみたい!」