巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
「お久しぶりです、サラ様。こうしてお会いするのは初めてですね。私はヴィクトル・オークランスと申します。どうぞお見知りおきを」
ヴィクトルさんのフルネームを聞いた私は驚いた。オークランスといえば貴族でも上位の伯爵家だ。
「申し訳ありません! 伯爵家の方とは存じ上げず大変失礼致しました。どうか無礼をお許しください」
平民が気軽に話しかけて良い人ではないと気付いた私は、慌ててヴィクトルさんに謝罪する。下手をすると不敬罪で投獄されるかもしれない。
「どうか頭をお上げください。サラ様に頭を下げさせたなんて殿下に知られたら、私の首が飛んでしまいます」
「えっ!? 首!」
思わず頭を上げた私にヴィクトルさんが意地悪そうに微笑んだ。どうやら私はからかわれたらしい。
「おいおい、サラをいじめんな。こいつをいじめて良いのは俺だけだ」
「ちょ……!? お爺ちゃん!!」
「ふふ、これは失礼しました。以後気をつけます」
不敬を許してくれたヴィクトルさんはともかく、お爺ちゃんまで私をからかってくる。
息がピッタリな二人に、私はいつの間に仲良くなったんだろうと不思議に思う。