巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
41 会議室1
サロライネン王国の王宮にある会議室では、元老院議員達を招集した定例会議が行われていた。
優美な絵画や彫刻が飾られた会議室には、珍しい木材で作られ、細かく彫刻された飴色の大きなテーブルがあり、王太子であるエデルトルート・ダールクヴィスト・サロライネンを上座に、元老院議員達が爵位順で席についている。
本来の定例会議では情報の共有や、国家事業の進捗状況の報告を行うのだが、現在は王都にあるアルムストレイム教の神殿本部で起こった、とある騒動が議題に挙げられていた。
いつも恙無く進行している定例会議であったが、今回は珍しく荒々しい雰囲気が会議室中に漂っている。
そんな会議室の上座に座っているエデルトルートの表情は固い。何故なら会議が始まってからずっと神殿派の貴族である議員達から糾弾され続けているのだ。
「殿下は王族としての立場を理解しておられるのか!!」
「アルムストレイム教を敵に回すことは世界を敵に回すことと同義ですぞ!!」
「神聖なる神殿に許可もなく乗り込むとは何事ですか!!」
普段はエデルトルートの顔色を窺っている議員達が、ここぞとばかりに責め立てる。