巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
王族派議員達の反論を、ベズボロドフ公爵は一笑に付す。
──王太子と王女の婚約──それだけ聞くと、王政が多いこの世界ではよくある話だろう。だがそれは相手国が普通の国であればの話だ。
エデルトルートや王族派議員達が反対する理由は、相手が普通の国ではないアルムストレイム神聖王国だという点である。
ただでさえ神殿派議員達が勢力を伸ばし、王宮内でアルムストレイム教の権力が強まっている中、そのアルムストレイム教の総本山がある神聖王国の王女と王太子が婚姻を結ぶというのは、サロライネン王国が事実上、アルムストレイム神聖王国の属国となることを意味する。
もしこの婚姻が成立すれば、アルムストレイム教は王国の国教となる。
そうなればアルムストレイム教と敵対している隣国のバルドゥル帝国との関係は悪化し、経済的にも打撃を受けることは必至だろう。
そして王国の事を考え、大司教からの打診を拒否したエデルトルートであったが、それ以上に打診を受け入れられない重要な理由があった。
──それは言わずもがな、サラの存在である。