巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
42 会議室2
──もし、サラが自分の告白を受け入れてくれたなら、自分は王位を捨ててもいいと、エデルトルートは本気で考えている。
王族でなくなっても剣の腕で食べていけるだろうし、経済学も習得しているから商人になっても良い。医学も学んだから医者にもなれるし、薬学にも精通しているから薬師にもなれる。
今まで努力してきた結果、どの職業になってもサラを養う甲斐性はあるとエデルトルートは自負している。
そう考えると昔の自分の経験は無駄じゃなかったと、前向きに考えられるから不思議であった。
自分がこうして前向きになれたのも、サラのおかげなのだろうと思うと、エデルトルートの心は温かくなる。
しかし、自分にとって唯一無二の存在であるサラを手に入れる為にはまず、目の前の問題を解決しなければならない。
「──何度言われようと、アルムストレイム神聖王国の王女と婚姻を結ぶ事は絶対に無い」
エデルトルートが威厳を持って高らかに宣言する。その燃えるような赤い瞳には、揺るぎない強い意志が込められていた。
そんなエデルトルートの宣言を聞いた元老院の議員達は絶句する。