巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。

 アルムストレイム教が唯一布教していない国である帝国には、勿論アルムストレイム教の神殿は存在していない。それは帝国内で<聖水>を手に入れるのは不可能であることを意味する。

 なのに帝国が繁栄し続けているのは、帝国が医療に重点を置いて医療機関や研究を保護・支援しているからだ。

 その施策のおかげで病人の数は減少し、外傷を負った者も先端医療技術で回復している。

 事故や戦闘で身体の一部が欠損した場合でも、その部位を補う魔道具を用いた義肢の開発も進んでいるのだ。


 ──それは<聖水>に頼らず、自分達の力で生きて行くことが出来ると、証明されたことに他ならない。


『アルムストレイム教は『聖水』を国との交渉材料にしてるって……聖属性のものを用意できるのは法国だけだから、どの国も言いなりだってお爺ちゃんが……』


 エデルトルートは以前、サラにした質問を思い出す。

 あの時、たまたま思い付いた質問に返ってきた答えが、アルムストレイム教の危険性をエデルトルートに気付かせたのだ。
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