巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
「殿下が騎士団長に任命されるという事は、その方はかなり腕が立つのでしょうか」
一部の議員達──主に神殿派の議員達がブイブイ文句を言っている中、エルの隣りに座っていたもう一人の議員が手を上げてエルに質問する。
騒いでいる議員達とは違い、落ち着いた雰囲気で優しそうな人だけれど、持っているオーラが全然違う。どう見ても高位の爵位を持つやり手なお貴族様だ。
「うむ。先日行われた騎士団との手合わせでは、短時間で団員全員に勝利している」
エルの返事に、質問したお貴族様だけでなく、反対していた議員達も驚愕している。
「──なっ!?」
「ば、馬鹿な……!? 騎士団全員……だと!?」
「しかも短時間で……?」
(えー!? お爺ちゃんってそんなに凄かったのー!?)
私が驚きの視線をお爺ちゃんに向けると、私の視線に気づいたお爺ちゃんがニヤリと笑う。
きっと私を驚かせたくて黙っていたに違いない。してやったりという表情を浮かべるお爺ちゃんが憎らしい。
議員達がどよめいている中、お爺ちゃんがすっと前に出ると、エルに向かって頭を垂れた。