巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。

 ──そしてお爺ちゃんは決断したのだろう。全ては私の恋を応援するために。


 自分が法国籍の爵位を持っていた事を黙っていたのも、法国と決別し爵位も返上したつもりだからだと思う。


「可愛い孫が幸せになるためなら、どんな手段でも使ってやるよ」


 だからお爺ちゃんは、私にも打ち明けなかった過去すら利用することにした──私がエルとの身分差に悩んでいたから。


 恐らく、私がエルを諦めようと思っていたことも見抜いていたのかもしれない。

 私は昔からお爺ちゃんに隠し事なんて出来なかったのだ。


「……でも、お爺ちゃんは孤児院の仕事が好きだったでしょ……?」


 お爺ちゃんは子供好きだ。大変な孤児院の仕事でも、とても楽しそうだった。そんなお爺ちゃんが子供達を愛情いっぱい育ててくれたから、どの子も素直で良い子になったのだと思う。


「別に今生の別れでも無いだろ? 仕事が終わりゃ、お前たちのところに帰るんだからよ。それに給金も良いから、お前達を養ってやれるしな」


 お爺ちゃんはそう言ってくれるけど、それでも私のために平穏だった生活を捨てることになるのは確かなのだ。
< 340 / 503 >

この作品をシェア

pagetop