巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。

 僕にとって目の上の瘤だった神殿派議員達は、手のひらを返して僕にすり寄ってきた。このまま神殿に媚びを売るより、僕側に着いた方が安泰だと気付いたのだ。


 それに加え、王宮中の人間や国民からも、尊敬の目を向けられるようになってしまった。そんな急激な周りの変化に、僕だけが取り残されたような気分になる。


 シス殿が凄すぎるだけで、僕自身は何も凄くないし、何も成していない。ただ、シス殿の忠誠を受け入れた、それだけなのだ。


 でも、それでも。降って湧いたようなこの好機を、逃がすなんて愚かなことはしない。


 近々行われる叙任の儀式で、シス殿に侯爵の爵位が与えられることが決定した。それはどうしても欲しかった彼女を──サラを、身分を気にすること無く手に入れられるということなのだ。……といっても、彼女の気持ち次第だけれど。


 叙任の儀式の後の祝賀会で、いつもは僕を遠巻きに見ていた貴族や令嬢達が、ここぞとばかりに目をギラつかせながら僕を取り囲む。


 僕は遠目にサラを捉えると、貴族達の相手をしながら、その動向を追いかける。
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