巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。

 子供達の面倒を見ていたサラが、エリアナ女官長と言葉を交わした後、庭園へ向かうのを目にしたので、僕は貴族達に断りを入れてから庭園へと向かった。


 見事に手入れされた庭園の中、月明かりに照らされた白いガゼボにいるサラを見つけたけれど、僕は声を掛けるのを忘れてしばらくの間立ち尽くす。

 何故なら、ガゼボの周りに咲いている満開の薔薇が、サラの美しさを引き立てていて、あまりの浮世離れした光景に、思わず魅入ってしまったからだ。


「──サラ?」


「ぎゃっ!?」


 僕が声をかけると、ひどく驚いたサラが慌てて僕の方へと振り返る。

 驚いた声も表情も、何もかもが可愛くて、抱きしめたい衝動に駆られるけれど、僕は理性を総動員して、今はまだ我慢だと自分を戒めた。


 それからサラとしばらく話をして、僕は彼女が自分の髪の色を好きじゃないという意外な一面を知る。

 詳しく話を聞けば、昔孤児院にいた悪ガキに容姿を馬鹿にされたというではないか。

 だからサラは、自分の容姿に無頓着だったのだと、やっと理解できた。


 僕はサラが持ちうるもの全てが愛おしくて堪らないのに、肝心の彼女はそう思っていないなんて。
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