巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。

 貴族どころじゃない両親の正体と迎えた最後に、私の頭の中は混乱を極めてしまう。


「……じゃあ、私のお父さんとお母さんは<使徒>に……」


 聖属性を持つが故に、好きな人と結婚できないなんて……! しかも駆け落ちした人間を追い詰めて殺すなんて、それが人々を正しき道へ導く聖職者のやることなのか……!


 今まで自分が信じていたものが足元から崩れていき、込み上げた怒りがドス黒く変化した感情に心が染まりそうになる。だけど私はぐっと踏ん張って、闇に飲まれないよう、怒りをぎりぎり我慢する。


「サラは聖下に──アルムストレイム教に、復讐したいか?」


 私の怒りを察したお爺ちゃんが尋ねてくる。きっとお爺ちゃんは私が復讐したいと言えば、力を貸してくれると思うけれど──……。


「……ううん。私が復讐しなくても、神様は見ていてくれているし……。それにアルムストレイム教の教えが間違ってる訳でも、教徒全てが悪い訳じゃないから」


 実際、アルムストレイム教の教えは素晴らしいと思う。ただ、その教えを自分の都合が良いように捻じ曲げたり、信仰心を利用するような輩がいるのが問題なのだ。
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