巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
「僕は様子を見てきます! サラ達は離宮で待っていて下さい!」
「え、でもエル一人じゃ……!」
「殿下! ご無事ですか!?」
混乱する市場の人達相手に、エル一人で対応するなんて無理だと思っていたところに、ヴィクトルさんが騎士達を連れて走ってきた。
タイミング的に私達を遠くから護衛してくれていたけれど、何か問題が起きたことを察し、助けに来てくれたようだ。
「私は大丈夫だ! 騎士団員達は王都民達の誘導と救護を頼む! ヴィクトルはサラと子供達を警護しながら離宮へ戻れ!」
エルが次々と指示を飛ばし、それぞれが行動しようと動き出した時、騒ぎが起こっている方角から聞き覚えのある声がした。
「おやおや、これはエデルトルート皇太子殿下ではありませんか」
「お前は……!」
「神の栄光が御身を照らしますよう、エデルトルート王太子殿下にご挨拶申し上げます。このような所でご高名な王太子殿下にお会いでき、光栄至極に存じます」
エルに声を掛けた人物──バザロフ司教は笑顔を浮かべ、恭しく私達に挨拶した。