巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。

「殿下!! まだ<穢れし者>が残っていると報告がありました! 至急、お越しいただきたいと班長が申しております!!」


「っ!? わかった、すぐに向かう!! サラ達も離宮へ避難を!!」


「う、うん!」


 バザロフ司教の登場ですっかり失念していたけれど、元々市場で騒ぎを起こしていた個体がまだ残っていたらしい。司教を拘束出来たからと油断していた。


 まだ闇のモノが残っていると聞いて、せっかく泣き止んだ子供達も、再び不安そうな表情に戻ってしまう。


「ヴィクトル! 行くぞ!」


「はいっ!」


 エル達を見送った私達は、エルの言う通り急いで離宮に戻った。






 予定よりも早く帰ってきた私達に驚いていたエリアナさんだったけれど、泣いたり不安そうな表情をしている子供達に何かを察したのか、理由を聞くこと無く優しい笑顔でいつものように「おかえりなさい」と言って迎え入れてくれた。


 エリアナさんの笑顔を見た私は、危険な場所から無事戻れたのだという安堵感に包まれ、全身の緊張が緩んでいくのを実感する。

 バザロフ司教が引き起こした事件は、自分の想像よりも遥かに衝撃を与えていたようだ。
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