巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
──どうやら私はトルスティ大司教が言っていた『神の意に背くあるまじき行為』の意味を履き間違えていたらしい。
(まさかエルや私達を殺すことが「神の意」ってことなの……?!)
そして私達を殺す務めを失敗したことが「あるまじき行為」ならば、トルスティ大司教の『責任を取る』という言葉は──。
私の考えがまとまるより先に、トルスティ大司教が呪文を詠唱する。
『死の澱より睥睨せし奈落の王よ 我求め訴えたり 汝に捧げるは永劫の絶望 因果律の楔を喰らい この世を不浄で満たす 滅びの歌を紡ぎ給え』
子供達が教わっている魔法とは違う、聞いたことがない魔法形態を詠唱するトルスティ大司教に戦慄する。
お爺ちゃんも「何だあの魔法っ?! 結界が効かないだとっ!?」と驚愕している。
この玉座の間では魔法の使用は禁止されており、六属性の魔法を封じる結界が張られているはずなのだ。
「……ごえっ……ごふ……っ!! おごぉ……うっ!! が、がぁあああああ!! 」