巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
「お前に理解して貰わなくて結構。いい加減黙れよ。死にたくなければさっさと結界を解け」
お爺ちゃんが紫電を放つ剣の刃先をトルスティ大司教へ突きつける。
「……っ」
”バチバチッ”と放電する剣を向けられ、トルスティ大司教のこめかみから一筋の汗が流れ落ちていく。
お爺ちゃんはトルスティ大司教から目を逸らさず、じっとその動向を窺っている。
その場にいる全員の視線がお爺ちゃんとトルスティ大司教へ向けられ、二人の様子を固唾を飲んで見守っている。
緊迫した雰囲気が流れていた玉座の間に、一瞬だけ空気の弛みを感じると、”ピキッ”と何かにヒビが入る音がした。
どうやら自分に勝ち目がないと悟ったトルスティ大司教が、ようやく防御結界を解いたらしい。
そしてやっと開放される、と玉座の間にいた人々が安堵した時、トルスティ大司教が懐から何かを取り出した。
全員が気を弛めた瞬間を狙い、トルスティ大司教が取り出した物は、闇のモノが閉じ込めてある黒い水晶玉だった。