巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
だけどお爺ちゃんは油断せず警戒し続けていたのだろう、水晶玉を割る前にいち早く水晶玉ごとトルスティ大司教の腕を切り落とすと、零れ落ちた水晶玉に剣を突き立てる。
水晶玉は粉々に砕け、黒い靄が剣の光にかき消されていく。
それは結界が解かれてから水晶玉を剣で破壊するまで、ほんの一瞬の出来事だった。
「ぐあぁぁぁぁあ!! 腕がっ!! 腕がぁぁぁぁあっ!!」
トルスティ大司教の絶叫が玉座の間にこだまする。
その声を聞いて、ようやく貴族達はトルスティ大司教が闇のモノを放とうとしたことに気付いたらしい。
「うわぁっ!?」
「ひぃっ!!」
「な、なんと恐ろしい……!」
「まだ闇のモノを所持していたのか!!」
「大司教がどうして……!」
貴族達が恐ろしいモノを見る目で、トルスティ大司教から距離を取る。
穢れを祓う聖職者が<穢れし者>を使役する異常性に、得体のしれない恐怖を感じたのだろう、貴族達が玉座の間から次々と逃げ出していく。