巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
「ふふふ……っ、さすがはシュルヴェステル様……! 歴代最強と謳われるだけありますね……。でも、そろそろ魔力が尽きるのではありませんか? <熾天>は巨大な力がある分、魔力の消費も凄まじいですからね……」
トルスティ大司教の言葉に、お爺ちゃんが初めて動揺する。だけどその表情の変化は私だけがわかる些細なものだった。
「だとしてもお前を殺すぐらいの力は残っているぞ!」
「貴方の手にかかるのなら、それはそれで本望ですがね! だけど私の望みはそれじゃないんですよっ!!」
トルスティ大司教がそう叫びながら、斬られていない手を懐に入れるけれど、それを見逃すほどお爺ちゃんは甘くなく、<熾天>を振りかぶった手がトルスティ大司教の身体を切り裂いた。
やはり懐に隠していたのだろう、布の下から砕けた水晶玉の破片がパラパラと零れ落ちる。
「──ぐはっ……!!」
斬られた傷口からどんどん血が溢れ出て、トルスティ大司教の血が大理石の床を真っ赤に染めていく。
口から鮮血が噴き上げるけれど、それでもトルスティ大司教は血の気の引いた顔で、お爺ちゃんに向けて笑みを浮かべる。