巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
サラを想うだけで胸が苦しくなって、涙が出そうになる。自分より大切な存在が現れるなんて、想像もしていなかった。
「私もエルと出逢えて嬉しいよ……大好き」
嬉しい言葉とともに、抱きしめ返してくれるサラのぬくもりを感じて心が満たされていくけれど、満たされれれば満たされるほど、彼女を失う恐怖に襲われてしまう。
サラを失いたくない──彼女にはずっと笑顔でそばにいて欲しい。僕は心からそう願っていた、なのに────……
──<穢れを纏う闇>が瘴気を纏った触手で襲いかかってくる。もう少しで外に出られたのに、あと一歩届かなかったようだ。
迫りくる邪悪な気配に、覚悟を決めた僕の視界に一瞬、鮮やかな紅色がよぎる。
その色は、僕の最愛の人が持つ色で──。
「──っ?! サラっ!!!」
何が起こったのかわからず、どうして彼女がと思った瞬間、僕の目の前で赤い花びらが散った。
「……え?」
赤い花びらだと錯覚したのはサラの身体から飛び散った鮮血で、黒い触手が彼女の身体を深々と貫いていた。