巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。

 その人物は紫色の瞳の、驚くほど顔が整っている青年だった。

 長く伸ばした髪は一つにくくられており、その絹のようななめらかな白い髪が風になびく様は、稀代の芸術家が描く肖像画のようだった。


 魔物達の死骸の山を背景にしてもなお、その美しさは損なわれることがなく、むしろ彼の美しさを引き立たせている。


 そんな彼から限界まで磨き上げられた魔力の波動を感じ、もしかして彼がこの魔物達を殲滅したのでは、と思い至る。


 大地を埋め尽くすほどの、夥しい数の魔物を見てまさか、と思う。だけどもしかして、と思ってしまう自分がいるのもまた事実で。


 ずっと凝視していたからだろう、青年が視線に気づいて私を見る。


 夕焼け色に染まる光の中で、紫色の瞳が私を写し、目が合ったと思った瞬間、彼が私に微笑みかけた。


 その微笑みに、そして自信に溢れる瞳を見て、胸が高鳴るのを不思議に思いながらも、本当に彼が一人で魔物達を殲滅したのだと理解する。


 人を惹きつけて止まない容姿と、圧倒的な強さを併せ持つその青年に、私が憧憬の念を抱くのは当然のことだった。
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