巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。

「……ヴィクトル。サラは目覚めたばかりなのだから騒がしくしないように。君の熱意は十分伝わったから騎士団に戻れ。他の者もそれぞれ持ち場に戻りなさい」


 王国の良心、エルが呆れた顔をして皆んなに退出を命じ、部屋に残ったのはエルとお爺ちゃんだけとなった。

 さっきまで凄かった熱気は冷めていき、部屋に静寂が戻ってくる。


「サラ、ヴィクトルが言った話の内容は本当ですよ。サラのおかげでこの国は救われたんです。本当に有難うございました」


「えっ?! あ、いや、そんな……! 皆んなが無事なら良かったけど……」


 正直無意識だったので、感謝されてもいまいち実感が湧いてこない。それでも、エルの役に立てたのならこんなに嬉しいことはない。


「……とまあ、そういう訳でだな。お前が王太子妃になるための障害は綺麗サッパリ無くなったっていう訳だ」


 そう言って苦笑いを浮かべているお爺ちゃんの言葉の後には、「後はお前次第だぞ」と続くような気がしたけれど……。きっと気のせいじゃないんだろうな、と思う。
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