巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
最終話 祈り
重症を負った私が目覚めてから一ヶ月が経った。
目覚めたその日にエルからの求婚を受けた私は、エルの婚約者となった。
そしてその事は王族を始めとした元老院でも正式に認められ、半年後に私達の結婚式が開かれることが決定する。
それは王族の婚姻という大きな出来事にしては、異例の早さだった。
私がエルと結婚するというニュースは王国中を駆け巡り、国を上げてお祝いムードとなっている。
巷では私達をあやかって、カップルが沢山誕生しているらしい。
そんな明るい王国の未来を確実なものにするために、解決しておかなければならない問題があった。
それは、アルムストレイム教の神殿本部の処遇だ。
神殿本部の最高責任者であった大司教が犯した大罪に、貴族達はアルムストレイム教の排斥、神殿本部の撤退を提言したのだ。
実際、信じていた大司教に殺されそうになったのだから、貴族達の気持ちもよく分かる。
そして元老院の会議でアルムストレイム教の排斥が審議されるという時、元老会議員達に異議を申し立てる人がいた。
その人は言わずもがな、司教の付き人として神殿本部に潜入していたヴィクトルさんだ。