巫女見習いの私、悪魔に溺愛されたら何故か聖女になってしまいました。
大罪を犯した人だとしても、お爺ちゃんはきっと、殺したくないぐらいには彼に対して情があったのかもしれない。
「ま、ヴィクトルを助けてやるつもりで頼むわ」
お爺ちゃんがしんみりとした空気を払拭するかのように笑うから、私も明るく笑顔で答え、気持ちを切り替えることにする。
「うん! 任せて!」
再建を手伝うと言ったものの、私にできることはほとんど無くて、ただここで祈ればいいだろう、とお爺ちゃんが助言してくれた。
「上手く出来るかどうかなんて気にしなくていいぞ。ただいつも通り心を込めて祈れば大丈夫だからな」
ソリヤの神殿にいた時もお祈りは毎日していたし、その心得も理解している。お爺ちゃんもいつも通りで良いと言ってくれたので、だいぶ気持ちが楽になった。
私は祭壇の前に跪き、目を瞑って祈りを捧げる。
──神の教えを広め、心に安らぎを与え、人々の心の拠り所として、もう一度この神殿に祝福を与えていただけますように──
人々の心に平穏を、と願いながら、この機会が与えられたこと、今この瞬間生かされていることに感謝する。