「Of My Disteny」ー手、繋ごうー
destiny3.寮生活の始まり
まだ全然慣れない一ノ瀬くんとの2人寮生活、いくら自分の部屋があるっていっても共同で使わなきゃいけないものもあるわけで。

お風呂上りはどうしても緊張しちゃう!

寮生活のために買ったパジャマも張り切り過ぎてないか心配だし、ドライヤーの後の髪の毛だって気になっちゃうから。

…意識し過ぎかな?

でも意識しちゃうよね、こんな状況。

丁寧に髪をとかして脱衣所から出てくると、一ノ瀬くんは自分の部屋にいるみたいでリビングは静かだった。

それはそれでちょっと、物足りない気もして。

…いや、全然いいんだけど!
その方が助かるしね!!

冷蔵庫からペットボトルのお茶を取り出してコップに注いだ。飲みながらソファーに座って、スマホを開く。

「…あ、すごい」

セブンオーシャンの社内SNSを開くとここ数日の私たちの写真が上がっていて、いいねやコメントが盛り上がっていた。

確かセブンオーシャンの社員の人の評価が基準になるんだよね、ここでポイント稼ぐことが大事って。

トップは圧倒的で鮫上くんと倉下さん、それに比べて私たちは…特に良くも悪くもなく普通って感じ。

そうだよね、まだ何もしてないし、まだ全然一ノ瀬くんのこと知らない。

でもあんなに苦手だった男の子なのに、一ノ瀬くんのことは知りたいなって思ってるの。

「………。」

なんか恥ずかしくなってきちゃった。

そーいえば一ノ瀬くんは何してるのかな?
お風呂どうぞって声掛けた方がいいよね…?
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