LIBERTEーー君に
「ん……僕には、普通のことなんだけど」

ーーうん、それは理解しているつもり。でも、喫茶店でピアノのバイトをして感じたの。毎回、緊張感とプレッシャーの中で演奏するのは、相当な勇気が必要だった。並大抵ではないと

「そうだな、とんでもないよな。僕の師匠は」

ーーリリィさんが居なかったら、が想像できない?

「当然だ。今でもリリィの言葉や仕草、演奏を思い出すよ」

ーーモルダウにね。時々、間崎元准教授と小百合さんが来るのよ

「アランとリリィの孫の……元気にしている?」

ーーええ。アランはどうにかカノンを演奏できるようになって、小百合さんと合わせて演奏することもあるの

「そう、良かった」

ーーでね、貴方の演奏動画を観て、2人揃ってリリィに演奏する時の何気ない仕草が似ているって言うのよ。「リリィが弾いているようだ」と

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